2012年09月11日

夜の河 1956日 吉村公三郎

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主人公は山本富士子です。
京の老舗の染物屋の娘で、斜陽の業界ながら立て直す気概があり、
それを成し遂げます。それと共に、阪大の教授と(不倫の)恋愛関係になります。

その彼女が、商売でもプライベートでも、元々素晴らしい女性でしたが、
ひとまわりもふたまわりも大きくなります。
その背景ですが、人の機微に触れる映画です。
特に鈍感男性と、敏感で必死で、女性として誇りある生き方との対比です。
(鈍感男性が魅力ないということではありません)

その凛とした女性像とこの作品の山本富士子は同一です。

前半は小沢栄太郎や山茶花究たちで、外堀の彼女の心理外の成長を固めて、
後半は彼女の内面の成長を、これが一筋縄に行かない演出で現しています。
そして、色を効果的に使い、ロケや列車内の映像も彼女も心情を語ります。

山本富士子を絶賛できる映画ですが、
人が放つ一言の重みをその背景、
人(女)が生き方を決める様をみせたとても良い作品でした。


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