2010年08月27日

天城越え 1983日 三村晴彦

天城越え 1983日 三村晴彦

田中裕子さんがとても綺麗です。


老刑事は40年前以上の自分が初めて手がけた事件が、
解決できなかったことが生涯の壁になりました。

女を犯人と決めつけて、少年のことが眼中にありませんでした。
それに気づき犯人がわかってもどうしても、その動機だけは、
想像すらできませんでした。

松本清張と三村監督が、14歳の少年だったら誰もが持つ、
心の崇高さと凶暴さを見事に描写しています。

女は少年にとって、母、姉、恋人、妻、愛人、そして聖なる存在です。
叔父にとられた本物の母の再来にもなってしまいました。

その大切な女性が軽蔑(と教えられた)に値する男に犯されます。
(とられます)
母を二度失うことに少年は生きていけない衝動にかられました。

老刑事にもあったであろう少年の心は、
どんなことをしても、老刑事は気づくことができませんでした。

その心は私も映画を観たから想い浮かべることができる
純粋な心だったからです。


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