2012年08月10日

故郷は緑なりき 1961日 村山新治

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佐久間良子が主演の純愛物語です。
まだあどけなくて、可憐です。
セーラー服の高校生役ですが、
純粋で一途な役通りの可愛さです。

主人公の二人は高校二年で、
同じ街の男子校と女子高です。
男女恋愛が正々堂々と禁止されている時代(昭和25年頃)の話です。

メインは二人が密かに、けれど、
しっかりと将来(結婚すること)まで考えて、
勉強もしっかりとやっている高校時代です。

彼が東京の大学三年になっていて、
故郷の彼女に電報で呼び出される場面からスタートし、
なぜ呼ばれたかがわかり終わります。

二人はこれから、もう少しで念願がかなう時に、
突然、本当に唐突に彼女が急死して終わります。
純粋な二人が引き裂かれる残酷な終わり方です。

二人の雰囲気が、応援したくなる感じで、
最後がどうなるかと観ていたのですが、
あっけなく終わりました。

そのラストで何を感じたか。
人は愛する者がいるから律していられることでした。
人として真っ当でいられるのは、
信頼できる相手がいるからです。
そして、それだけで他は食べていければ不足なしです、本来なら。

ところが、人は相対的に幸せを望もうとします。
自分達だけが貧しいことに我慢が出来なくなります。
そして、もっと怖いのは、
相手に何もしないのを自分の怠惰と感じてしまい、
なんだかんだ余分なことをしようとします。
物にすがるのが良い例です。

ただいるだけが二人のためで、
それは変わらないのに、
相手のためになにかしないと、自分が居ることに意味がないと思ってしまうのが、
人の性なんだと、
純粋な二人を観て思いました。


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