2012年06月22日

モンスターズクラブ 2011日 豊田利晃

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豊田監督自身が持っている現代社会の構図の解釈を、主人公に語らせます。
社会に対しての見方だけでなく、
監督が見える世界も織り込まれているようです。

前言撤回っぽいですが付け加えると、
監督自身が持つとは言いましたが、正確ではありません。
物語の主人公は、アメリカで実在している爆弾魔がモデルですから、
爆弾魔の生き様を汲み取ったエッセンスを利かせているだろうからです。

いずれにしても物語の背景には
夏目漱石の「草枕」と宮沢賢治の「告別」があります。
実在の爆弾魔を主人公においたことで、
筋ができて、監督の想いを語っていました。

メッセージは、
私達は自分の意志で生きているか、です。
また、社会に潜むものを見ているか、
また、小さな家族というコミュニティから大きな社会というコミュニィの中で、
自分の役割ということすら考えていないことへの警告、であったりします。

メッセージはわかりやすいですが、
表現は難解でした。
ここが鑑賞のポイントで、自分がいつも考えている部分までしか、
映像をとらえられなく、映画はもっと深く生き方を説いています。
ただし、そのあたりはどの映画も鑑賞時点での答えしか受け取れないので、
この映画だけではありませんが。

また、真っ白な冬山というキャンバスに、
色をつけることで語っています。
こういう美意識はかなり、観る者にこの映画をゆだねますが、
映画という表現を活かしています。
冬山の自然は美しいけれど人が一人で住むにはとても厳しい。
そこに主人公がいることで社会に対するメッセージを強調させていました。



追伸
昨日は「夏至」でした。二十四節気更新しました。
ご興味がある方は、干し芋のタツマのトップページからどうぞ。
干し芋のタツマ
二十四節気「夏至」の直接ページはこちら
夏至




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