2012年06月12日

踊子 1957日 清水宏

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船越英二と淡路千景の夫婦の元に、
人のものを奪うことに罪を感じない
妹の京マチ子が居候に来る所から物語ははじまります。

アリとキリギリスのように違う姉妹です。
健気な姉の淡路千景、
欲しいものは簡単に手に入れることができる妹の京マチ子。

妹は姉の旦那を寝取ります。
義兄を愛したと自分でも思っていますが、
姉の旦那だから、奪いたいから奪いました。

妹は責められる存在です。そして確信犯です。
自分が安楽に生きることができる場所を嗅ぎ分ける能力が備わっています。
義兄ともう一人の嫌らしい男も責められるべきですが、
妹にしてやられました。

姉は健気です。妹のためを、それだけのために尽くします。
けれど、増長させたのは姉です。
責められることは一切ありませんが。

人間関係は綾です。
明らかに悪い者は、もちろん自分の安楽が主ですが、
良い者を演じたい役割の者と持ちつ持たれつなのです。

そしてどう考えても、異常な状態は、
一足飛びでは誰もおかしいとするのですが、
一歩一歩では麻痺して、おかしいことに気づきません。
そんな状況に向かう三人でした。

姉夫婦は懸命に生きますが、
アリの妹は、若さと美貌を売ってアリを続けます。
でも長く続くことではありません。

ラストは、それを感じとったのでしょうか?
わからないまま終わりました。


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