2012年04月15日

さすらいの女神たち 2010仏 マチュー・アマルリック

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けっして優雅ではない、悪く言えばおばさん達がコミカルに、
ストリップまがいのショーの旅芸人一座の、
ロードムービーのような映画です。

のようなと言ったのは、
そこに一座内にイザコザがあったり、
一座が困難を乗り越えるということが起こらないからです。
もちろんイザコザはあります。
それ以前に、この一座の設定が面白いです。

まずは、煌びやかではない。
そしてアメリカの一座がフランスでドサマワリです。
しかも座長はフランスを追放されたプロデューサーです。

普通に進むことも、ましてやハッピーエンドになることはないことが、
冒頭から察します。

そしてイカレタ座長(をはじめ旅芸人達)をみていると、
アウトローの悲劇の物語ではないかと思い始めます。

しかしどこまでも明るい(おばさんのような)ダンサー達、
能天気ですが、ステージに上がればプロそのものです。
そんな彼女らを擁しても座長は屈辱を覆せませんでした。

彼は失意に終わりますが、
彼の最後には彼女らがいた!
潔くそこで気味良く終わるのはこの映画は全般を通して、
敗者に対して、敗者ではないコールを送っているからです。

だから勇気付けられます。

劇中のショーはこの映画の見どころです。
芸術性があるかはわかりません。けれど
世の中が複雑になっていることを充分に感じます。

そしてそれに応えているのが彼女達なのでしょう。


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