2019年06月02日

第三世代 1979西独 ライナー・ヴェルナー・ファスビンダー



第三世代とは、ドイツ赤軍のテロリストで、三世代目となると、ギラギラさが消えていて、また、共産主義革命の熱気も変化があり、そんなテロリスト集団を醒めた目線で映しています。

結構な人数のテロリシストの面々が登場しますが、前半は丁寧に一人一人の人となりと、集団の中での立ち位置が紹介されますが、なにか皆、強面ではないのです。
テロリストは軍人ではありあませんから、普段の顔もあります。どうということもない市民の顔があり、また恋愛関係もありは良いのですが、何か隙があるように見えて仕方ありませんでした。
けれど、当然ながらドンパチになれば命を奪われるわけで。
造り手の醒めた目線を感じざるを得ませんでした。

(確か)六つの章から構成されているのですが、その題名・主題は哲学的です。そしてそれは“トイレの落書き”からの引用です。
役者の台詞がとても多く哲学的で、また、始終違和感がある音が成り続けています。
醒めた目線もそうですが、その演出はどこか表層的な感じを受け、生きる真剣さを失っていることに対しての警告のように私は感じてしまいました。


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