2018年12月22日

禁じられた遊び 1952仏 ルネ・クレマン



戦争孤児になってしまった、まだ年端もいかない少女ポーレット(ブリジット・フォッセー)が田舎で少年ミシェル(ジョルジュ・プージュリイ)に出会ってという話です。

禁じられた遊びとは、ポーレットの死んだ愛犬を、ミシェルがお墓を作り葬ってあげたことから、ポーレットが無邪気な心で、愛犬一人眠るのはかわいそうと言うことから、死んだ虫やら小動物の墓を周りに作り、墓地から盗み出した十字架を建てることです。

ポーレットは裕福な家で育ったお嬢様、ミシェルは貧しい田舎暮らしという対照的な設定です。

パリが陥落した時代背景で、ポーランドはパリから逃げている最中で、ミシェルは田舎の村人です。そのミシェルのドレ家は隣のグーアル家とは犬猿の中で、戦時中でも諍いが絶えません。そのドレ家の親父は威張り屋、息子は牛に蹴られて死にそう。また、ドレ家の娘とグーアル家の息子も脱走兵は恋仲でロミオ&ジュリエットばりです。そして神父はいい加減というおまけ付きで、一応は情勢を気にしていますがそれどころではない様子です。

そんな中、ミシェルはポーレットの願いを適えるためにすべてを掛けます。ミシェルにとってポーレットは憧れの国から来た天使のようです。
ポーレットはそんなミシェルがいて、両親のことで悲しむこともありません。
でもこれは続かない。
二人は引き離され、ポーレットは現実を直視します。


反戦映画でもありますが、なんて大人はいい加減で自分勝手を痛烈に訴えています。いつものことながら犠牲者は弱者です。それを描いています。

リズムがよくて無駄がない脚本、とても悲しい展開ですが、子役二人の姿にそれを感じさせないという演出です。でも最後には現実が待っている。
生きていく上での普遍的なことをも示唆していると感じました。





追伸
12/22は「冬至」です。二十四節気更新しました。
ご興味がある方は、干し芋のタツマのトップページからどうぞ。
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冬至


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