2016年07月07日

裸足の伯爵夫人 1954米 ジョセフ・L・マンキウィッツ

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若くして亡くなった世界的な女優マリア(エヴァ・ガードナー)の葬儀で、彼女の親友であり、パートナーの映画監督ハリー(ハンフリー・ボガード)の回想で始まります。

その3年の回想でマリアが大女優に、伯爵夫人にまで登りつめ、でも彼女の貧しい生い立ちも語られます。
彼女が手にしたものは何だったのか?

とても脚本が良い、ジョセフ・L・マンキウィッツは流石です。

回想はハリーだけでなく、複数の登場人物です。
多面的な視点で、マリアの人となりが語られるのですが、それは複数の男からみたマリア
であり、マリアの本心は彼らも観客も想像するしかありません。
このあたりがとても上手いです。

マリアは伯爵と結婚することで幸せを掴むはずだったのが、結局悲劇に巻き込まれるのですが、もちろん悲劇で終わることは解っていて、ではどんな秘密があるのか、それはマリア自身がどんな人物だったか、なぜ死ななければならなかったのか、ずっと観客をひっぱります。面白かったです。


ハンフリー・ボガードはマリアに慕われ、でも恋には落ちないという、そして、かつては名監督で落ちぶれているところからスタートし、マリアと共に再生していきマリアの父親代理の役どころです。はまり役で、やっぱり渋い良い演技と存在感があります。
それを超えてしまうほど、エヴァ・ガードナーの美しさも見どころです。






追伸
7/7は「小暑」です。二十四節気更新しました。
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