2015年09月19日

胸騒ぎの恋人 2010加 グザヴィエ・ドラン

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ちょっと奇妙な三角関係の恋の行方を追うのですが、
それに奥行きをつける演出があり、観客のイメージを膨らませます。

同性愛の男性フランシス(グザヴィエ・ドラン)と同性愛者ではない女性マリー(モニア・ショクリ)は、仲良しの友人です。ある時一人の男性ニコラ(ニールス・シュナイダー)を同時に一目ぼれします。

二人ともさりげなくニコラに近づき、ニコラもマリーはもちろんフランシスにも満更ではないのですが、煮え切らない感じ。二人以外の女性とも付き合っているようなのですが、フランシスにもマリーにも気軽に声を掛けます。
映像は仲がよい三人が中心です。

まず、人物造形が良いです。
天然掛かっていて、ハンサムで優しいし裕福なニコラなので、二人とも惹かれるのは当然という感じ。
そしてフランシスも魅力ある同性愛者で、ニコラにもマリーにも気を配ります。
マリーは美人ですが、ちょっと不器用な感じで、そこがまた三角関係を面白くします。
そしてニコラの本意が見えてこないので、二人の中にある感情に共感し、どちらか、もしくは二人を応援したくなります。

物語の本筋とは別に、登場人物に近いような男女のインタビューが挿入されます。テーマはそろって失恋で、この演出も含めて、観るものの中にある恋心が刺激される造りです。

ラストは、二人がちょっと引いてニコラと接すると、
という終わり方ですが、思わせぶりにもなっています。


この手の映画を観るには私自身、登場人物にしっかりと近づけなくなっているということも痛感し、そういう意味では悔しいけれど、だからこそ、彼らの感情を探りたくもなりました。


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