2015年09月18日

マイ・マザー 2009加 グザヴィエ・ドラン

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親離れの真実の映像を見せられたというのが感想です。

主人公は高校生のユベール(グザヴィエ・ドラン)、女手一つで育てている母(アンヌ・ドルヴァル)とは毎日口論です。反抗期で母親のやる事成すことが気に入りません。
その反抗に真っ向から立ちふさがるタイプの母親だから、収拾が付かない毎日です。
しかも母の論理は感情で正当なので、ユベールはうんざりしています。

ユベールの心の支えは恋人の同級生のアンナトン、同性愛で、このことも母にわかり、この問題でも一悶着です。
アンナトンも母子家庭ですが、ユベールと母との関係と反対で、母息子関係も性のことも上手く行っています。

ユベールはハイティーン独特の時期で、世の中がわかってきたあたりで持つ狂気を母に向けて振るってしまうのです。
母子家庭なので母は父親役もやっていて、だから余計にユベールは母と諍いになってしまいます。

でもまだ10代です。母に愛されたい弱さも持っています。そして、母を愛したいも湧き上がって来るのです。
そのあたりの描写が見事で完成度も高く、10代でこの映画を作った監督グザヴィエ・ドランの才能に驚きますが、若くなければ撮れない映画でもあることも間違いありません。

そして親離れを経験し、ユベールは成長していくことを匂わせます。

余韻もあり、映像も感覚に迫るのだけれども、それも計算されているという作品でした。


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