2014年12月29日

恋愛日記 1977仏 フランソワ・トリュフォー

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紛れも無くフランソワ・トリュフォー監督の女性賛歌映画です。

もしこの映画の主人公が身近にいたら、絶対に仲良くなりたくないのですが、
映画の中の主人公は男から見れば愛おしい存在です。

主人公のベルトランは女性好き、女の人と一緒にいられる境遇がなければ生きていけません。
しかもたった一人の女性と添い遂げるのではなく、
とにかく、女性が大好きですから、気に入った“脚”の女性と一緒にいられるように、涙ぐましい努力を惜しみません。

日々、出会う女性を物色して、好みであれば、静かに猛アタックです。アタックといっても、本当に心からその女性が素晴らしくて仕方がないのですから(何人でも)、とても真摯で紳士な態度です。

だからかどうか、決して男前ではないのですが、かなりの高確率で狙った女性と過ごすことができます。

映画は、ベルトランの葬儀から始まります。
一人の女性の回想から始まり、回想の中でベルトランの回想という構図です。
ベルトランは、彼が望む方法で母親から愛されなかったので、その遍歴が女性なくしては生きられなくなったようです。
そして、次から次へと美脚の女性を愛していき、一緒になるのですが、一人の自由な時間と空間も確保します。

物語は、ベルトランが自叙伝を書いて、それが出版されるという流れで、最初の葬儀の説明は、出版社の女性編集者で、彼と最後の最後に愛し合った仲の女性でした。

女たらし映画で、そう観てしまえば何のことはないのですが、
男と女の関係の不思議さ、論理的では一切ないことをユーモラスに描く作品で、時折自分が重なりますし、一生もがいて生きていく姿が人間だと、ちょっと哲学的な心境にもなります。

脚本が巧みで、まとまりがない物語を紡いでいくという感じで、演出も含めて、このあたりはフランソワ・トリュフォー監督はとても上手いなあと感じます。

可愛い少女から、若い美人から、41歳の美女まで、そして綺麗な脚がこれでもかとスクリーンに映る映画でした。


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