2014年11月02日

季節のはざまで 1923瑞/独/仏 ダニエル・シュミット

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少年時代の過去を振り返ると温かい過去の映像が現れます。
それに付き合う映画です。

その過去とは、ダニエル・シュミット自身のようですが、
それはともかく、その映像を観ると、彼がどんなふうに生きてきたのかがわかります。

翻って、自分が過去を振り返るとどんな映像が浮かぶのでしょうか。

スイスの山の中の今はもぬけの殻になったホテルを訪れたヴァランタンは、
少年時代にここで過ごしていました。彼にとって特別な場所です。
一人、ホテルの中を彷徨っていると、昨日のことのように過去が蘇ります。

記憶は真実とは限りませんから、この回想も勝手に脚色されていますが、
そんなことはどうでも良いことです。
ヴァランタンにとってかかわりがあった人達とどう過ごしていたのか、
それは彼にどんな影響を与えたのか、
そして、それは彼に何を残したのかが大事です。

彼にとってここで過ごした少年時代は、ワクワクする楽しいことが多かったようです。
実際に多かったかはわかりませんし、辛いことだってあったのでしょうけれど、ワクワクし楽しかったシーンが最初に出てくるのです。


もうヴァランタンも決して若くはありません。
ホテルが取り壊されるのは寂しく残念なことでしょうけれど、
これまでの彼の人生で触れた、もう合えない人達に感謝の決着をつける時だったのです。

別れをして、ヴァランタンは残りの人生に向かったんだと、ラストの映像は語っていました。


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