2014年01月18日

故郷よ 2011仏/ウクライナ/波/独 ミハル・ボガニム

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1986年4月26日チェルノブイリ原発事故当日と10年後の
プリチャピ市が舞台です。

当日の花嫁アーニャは、結婚式当日に森林火災の消化に行った新夫を亡くしました。10年後は当地でツアーガイドとして働いています。
原発技師のアレクセイは、職業柄いち早く事故を知り、すぐに妻と息子(ヴァレリー)を非難させます。それから10年間家族と離れ離れです。当日アレクセイはヴァレリーと共にりんごの木を植えます。
この二組の家族が話の軸ですが、事故で避難しなかった人達や動物達の姿、そして10年後のそれぞれの姿も映ります。

死に行く自然と、生き返る自然、アーニャがツアーで訪れる制限区域内の現実、
そのシーンはこの映画のハイライトです。
福島原発の姿は、どういうかたちで明かされるかと気持ちが走ります。

また印象的なシーンが二つあります。
アーニャが少しずつ健康を損なわれながらも、プリチャピで職を続けること、新しい恋人と一緒に離れないことです。まさに題名の「故郷よ」ですが、この傷みは私は汲み取れていません。あんなに近いフクシマでも当事者とは遠いのです。

もうひとつのシーンでは、電車で移動しているアレクセイがプリチャピ駅で降りれません。なぜかわかりませんでした。簡単です。無いからです。

この映画は、冷静です。とかく感情的になる原発問題に言及という感じではありません。
だからこそ当事者と私との温度差を量ることができます。








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