2013年12月08日

ピロスマニ 1969グルジア ゲオルギー・シェンゲラーヤ

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生前認められることなく貧しい生活のまま亡くなった画家の半生です。

ピロスマニの時々の精神的や経済的な苦悩とともに、彼の絵画が写されます。
観客は彼がどんな心境で数々の絵を仕上げていったのかを探ることになります。

絵を描くこと以外は不器用な主人公は、絵が認められなければ、困窮するしかありません。
認められない中で描く絵は、
自分を信じるから描き続けられるのか、食い扶持の方法が絵だったのかは解りません。
確かなのは真剣だったことで、紛れもないことです。

映画は一切の説明は排除しています。
台詞やシーンも彼の人となりを知らせるのにとどめます。
救われるべき英雄だったとすることもなく、
ことさら悲劇的に撮ることも控えていて、
報われなくても絵を描くしかないピロスマニの日常を伝えます。
多分、推測できる現実を再現したかったからでしょう。

それは一人の芸術家の儚い一生です。
でも賭けるものがある男の生きる美しさが伝わります。
一芸に取り憑かれた者の濃厚な人生の満足も感じます。

人は今生きている生き方しかできない、それは天才も秀才も凡人も同じかもしれません。







追伸
12/7は「大雪」です。二十四節気更新しました。
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