2012年05月09日
志らくのピン~古典落語編~
二つ目のらく兵さんが一席、
志らく師匠がたっぷり三席、
仲入りもソコソコの二時間半でした。
らく兵さんは、四月に二つ目に昇進したばかりとのことですが、
なかなかの腕前でした。
その二つ目昇進の話を、志らく師匠は枕につなげます。
前座の頃の、談志師匠との話です。
志らく師匠の談志ネタと談志マネが上手くて、楽しくてです。
亡くなってまだ半年ですが、
こういう枕も変化して行きそうです。
「たぬき三部作」
狸の札、狸の鯉、狸賽と続けました。
助けられた子狸登場の場面が、
先代小さん師匠を想わせます。
小さん師匠の域にはまだまだですが、上手いです。
談志師匠ゆずりのアクの強さは当然醸し出されていますが、
志ん朝師匠の様な鮮やかさがあり、
小さん師匠にもですから、かなり器用で芸達者です。
「唖の釣り」
志らく師匠の意気込みを感じます。
現代では滅多に高座にかけないネタでしょう。
それを躊躇なしに、
全力で、唖を演じます。
この精神は談志師匠のようです。
「お直し」
志ん朝師匠の「お直し」は芸術でした。
それと比べてはいけないと思いつつ、
比べてしまいます。
それだけレベルが高いです。
この話は、
ダメ旦那がどこまで己の愚かさを最後に悔いて、
ダメ旦那を捨てきれない女房が、
悔いる旦那に惚れられていることを確認し、
それがあればどんなに哀れでも我慢できる、
を最後にどれだけ表現するか、
それを話中延々と仕込む落語です。
それを忠実に再現しています。
ブレがないんですね。
志らく師匠、まだまだ上手くなるでしょう。