2022年05月15日

【spac演劇 ギルガメシュ叙事詩】宮城總 演出




古代メソポタミアで伝われていた神話「ギルガメシュ叙事詩」を現在のspacが演じることができる術を集めた音楽劇であり、もうひとつの見どころは、世界で活躍する人形劇氏の沢則之さんが操る人形が登場することです。

spacはもう十八番といえる演者と口演者の分離で、演者は魅せるそして、口演は複数人で台詞を重ね合わせます。それが演者の心情を、演じる姿に加えて深みを与え、また、物語の骨子を暗示し深みをもたらせます。
人形は、この神話の中に登場する畏敬の存在のフンババと、文楽の人形を想わせる船頭と、そしてもう一体はなんと人と人形を融合させています。

フンババは前半のクライマックスといえるギルガメシュ王の活躍(これが長い目で見れば活躍かはわからないのですが)場面で壮大な神の遣いとして現れます。
船頭は日本の古典そのものを連想させるモノ、融合された人・人形は人なのか神なのかこのギルガメシュ叙事詩が神話であることを強調する存在です。

舞台は複数の衝立を縦横無尽に使って、各場面の背景を想起させます。

今持てるspacの出来得ることを具現化した壮大な紙芝居であり、また文楽と歌舞伎の技能も随所に取り入れられている見事な演劇でした。



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