2021年02月16日
【spac演劇】ハムレット 演出:宮城總

宮城さんは「ハムレットは解答ではなく疑問を表現している芝居」と言います。
ハムレットは、「いったい自分は何者なんだろう」と自らに問い、現王クローディアスへの復讐を果たすか悩み、それを通じ、“どう生きるか”にいつも真剣だからです。
その姿はあまりにも誰にも通じる、生きていくことの根底の疑問で、ハムレットがもがき苦しむ様を、時に自分に重ね、時に自分にはそこまで激しく突き詰めないと呟きます。
このspac版ハムレットは、父・母との自分の関係、愛する者・友人との関係、またハムレットの場合は国を憂うのですが、自分に置き換えたら仕事との関係を、舞台で武石守正ハムレットが懸命に生を演じることで、私としては、日常の中での身近な生活シーンで「いったい自分は何をやっているのか」から始まり、正しい正しくないは置いておいて、“生きたい生き方をしているか”という疑問を湧き上がらせます。
そして最後は、ハムレットが自国をかつての敵国の王フォーティーンプラスに任せるホレーシオへの遺言を、終戦でアメリカのマッカーサーに委ねたことと重ねます。
このラストは、「自分は何者であるか」は、出生から育った環境に強烈に影響されていることを、それが私を強固にしていることを想わせます。
それにしても久しぶりの本格spac演劇は、演出から役者の身体能力から、衣装・セットに至るまで、今回も非常に優れていることを知らしめていました。
spac演劇ラーマーヤナ物語/演出 宮城聰
spac演劇 ラクリマ、涙 ~オートクチュールの燐めき~/演出 カロリーヌ・ギエラ・グェン
spac演劇 叫び/演出 小島章司
spac演劇 ラーマーヤナ物語/演出 宮城聰
spac演劇 マミ・ワタと大きな瓢箪/演出 メルヤン・ニヤカム
spac演劇 <不可能>の限りで/演出 ティアゴ・ロドリゲス
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Posted by いもたつ at 09:00│Comments(0)
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