2016年05月10日
【SPAC演劇】イナバとナバホの白兎 演出:宮城聰

SPAC新作の意欲作です。
因幡の白兎とそっくりの神話が、北米・南米大陸に数多く残っている。しかし、米大陸の神話は、主人公が河を渡り神に会いに行き、そこから求婚があるという一連の神話だが、日本は、河を渡るのは因幡の白兎で、求婚は別の神話になっている。何故か?
それは、“アジアでそれらの元になる神話があり、それがまず日本に伝わり、そのあと北米に伝わったのではないか?”“伝わるのに時差があり、日本ではバラバラに、米大陸ではそのままで伝わり残ったのではないか?”というクロード・レヴィ=ストロースの仮説を、SPACの演劇としたのが、「イナバとナバホの白兎」です。
神話を想像し、具現化しています。
まず因幡の白兎が第一幕、次にナバホの伝説が第二幕、そして想像の神話が第三幕です。
いずれもSPACらしい演劇・演出でした。
声明を想わせるオープニングで、台詞づかいは始終それに近く、繰り返しが基本。そして、主要人物はムーバーとスピーカーに分かれるSPACの十八番です。また、音楽も和があり洋があり、和洋折衷になります。それらは打楽器と管楽器が中心でこれもSPACお得意です。
コミカルな演出が随所にあり楽しませてくれて、一方、神話に迫っていくという流れ。こちらの想像力も掻き立てる演劇です。
父との葛藤は普遍のテーマであることを匂わせていました。
もう一回鑑賞を予定しています。とても楽しみです。
spac演劇ラーマーヤナ物語/演出 宮城聰
spac演劇 ラクリマ、涙 ~オートクチュールの燐めき~/演出 カロリーヌ・ギエラ・グェン
spac演劇 叫び/演出 小島章司
spac演劇 ラーマーヤナ物語/演出 宮城聰
spac演劇 マミ・ワタと大きな瓢箪/演出 メルヤン・ニヤカム
spac演劇 <不可能>の限りで/演出 ティアゴ・ロドリゲス
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Posted by いもたつ at 09:06│Comments(0)
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