2012年08月08日
灼熱の魂 2010加/仏 デニ・ヴィルヌーヴ

中東のある国の内戦での悲劇をモチーフに、
暴力・復讐・怒りの連鎖をテーマにしています。
主人公は、双子の姉弟ですが、
彼らの母の生き様がこの映画の主です。
母が亡くなり、遺言で、姉弟には父と兄がいることを知り、
探すことになります。
その旅は母の人生と、争いの連鎖を追及する旅になります。
そして真実が明かされます。
非常に重いテーマに、オイディプス王の悲劇が重なります。
深く探求される内容が盛り込まれていて、
映画の進行もサスペンスのように惹きこまれる上手さがあります。
とても良い映画です。
ただ、ちょっと引っかかるのです。ほんの少しですが。
母の愛により怒りの連鎖が終焉することで物語は幕を閉じますが、
そこが腑に落ちないのです。
これは多分、中東情勢を知らなすぎるからだと思いますが。
また、実は母の死があり真実が明らかになる。
ここで連鎖が止まるのか、なにかここからが勝負とも思えてしまいます。
まあこれらはちょっと余計なお世話な感想だとも感じます。
物語が壮大な繰り広げられることと、
宗教の対立からの紛争の映像がとてもリアルな故に感じてしまうことも一因でしょう。
この映画はやっぱり、中東のある国の内戦での
『オイディプス王』であったことを私的には解釈しました。
追伸
昨日は「立秋」でした。二十四節気更新しました。
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