2014年01月16日
お嬢さん 1937日 山本薩夫

山本薩夫の監督デビュー作品でありながら、
彼らしさが前面に出ていない映画です。
(二・二六事件後の製作ということを考えてしまい)
多分に戦前の軍統治下の世相を感じます。
ラストの高峰秀子(当時13歳)の台詞は、
監督の抑えて抑えた演出の結晶なのかと、勝手に解釈です。
それは置いておいて、映画は主演の霧立のぼるの独演会です。
「きくこ」という役名ですが、
題名の「お嬢さん」でクレジットされていることからも窺えますが、
お嬢さんらしさ全開です。
当時のモダンガール、当時のブルジョワがどんなものだったかを知りえます。
モダンガールぶりはファッションも含めて、その雰囲気は彼女にぴったり。
また彼女自身以外でも戦前のブルジョワの様子は貴重な映像です。
私が大好きな高峰秀子の大人前の(子役)演技を観れたのも大きな収穫でした。