2013年02月28日
招かれざる客 1967米 スタンリー・クレイマー

二度目の鑑賞です。
アメリカは自国の影も映画として堂々と表現する土壌があり、
これは素晴らしいと思っています。
成功した白人夫妻と一人娘の裕福な家族で黒人の家政婦がいます。
裕福でない黒人夫妻には優秀な一人息子がいます。
そして、新婦と数人のちょい役という登場人物で、
近い過去のアメリカでの差別の状況をとても上手く表現しています。
無駄がない良くできた脚本と今回改めて感心しました。
例えば白人の父親(スペンサートレイシー)が、
アイスを食べている時の台詞などでも、彼の気持ちを窺えます。
細かいシーンと台詞で無駄なくスムーズに話が流れます。
また、父親と母親の思考の違いも面白いです。
母親が子供を信頼し、可能性を見るのに対して、
父親は、この結婚は苦労することがわかることで、
自分が反対したいという感情の正当化を計ります。
理性的を装う感情的な態度です。
自分を投影しているのかもしれませんが。
父親達がこの若夫婦、白人と黒人の結婚、出産を心配していた頃から約40年後、
この若夫婦の子供世代であるオバマ大統領が現れます。
今観ると予言的です。