2011年10月12日
なつかしの顔 1941日 成瀬巳喜男

とてもあたたかい話です。
乱暴な仮説で貧しいほうが幸せといことを
考える時がありますが、まさにそれを感じます。
戦時中の農村、裕福ではない農村です。
そこには、子供達が元気良く遊び、
大人達も一生懸命に働き、けれど希望はまだ失っていない頃です。
ただ戦争の影があり、
子供の憧れは軍人で、模型の飛行機を欲しがり、
ヒロインの夫は出征中で、そこが物語の中心です。
34分の短編ですが、
当時のことが、大きな視点から家族という(純真な子供の目)
小さな視点までしっかりと描かれています。
そして、映画としても堪能できる出来栄えです。
ほんの小さな話しながらも完成された映画です。
ますます成瀬巳喜男という人物の素晴らしさを
思うばかりでした。