2022年05月13日

【spac演劇 カリギュラ】ディアナ・ドプレヴァ 演出




ふじのくにせかい演劇祭2022に招聘されたこの「カリギュラ」、公演はニ回です。二回観たかった劇でした。

皇帝カリギュラの心情を描いています。
狂気、苦悩、精神が悪魔に支配されたことに抗するようにあえぐカリギュラです。
独裁者を擁護する気は更々ありませんが、独裁者も人間であると言わしめているように感じました。

皇帝にまで昇りつめているということは、国にとって民にとって英雄だったはずです。側近ももちろん尊びます。
そのカリギュラがおよそ英雄とは違う人格に堕ちていってしまいます。すると段々と風向きが変わっていきます。それに共鳴してカリギュラが病的に乱れていきます。そんな皇帝を裁くことができるのは皇帝だけ。それをも苦悩になるのです。

凄まじく怖い劇でした。
人というものはこんなにも狂うのかをみせます。カリギュラは生への執着がありながらない、そんな精神です。

この独裁者は民が求めた者でもあります。そこがまた怖ろしい。
最期、カリギュラは民の裁きを受けますが、「俺はまだ生きている」と叫びます。まさしく真実で、真理です。

  


Posted by いもたつ at 09:00Comments(0)いもたつLife