2014年04月21日
もうひとりの息子 2012仏 ロレーヌ・レヴィ

イスラエル人とパレスチナ人の赤ん坊の取り違いがあり、
それが18年後の兵役検査に明らかになります。
二家族の葛藤がはじまります。
映画は、民族間の深い深い軋轢でも、
政治からのトップダウンではなく、
草の根からの個人が変わることで変えられる希望を見せます。
その後で“そんな簡単ではない”“社会の一員である以上そんなことは身勝手だ”
ということを示唆します。
イスラエル人として育てられたヨセフは、ある日を境にパレスチナ人として宗教的な扱いを受けます。アイデンティティが崩れます。
逆の立場がヤシンで、彼は仲が良かった兄から突然憎まれる敵という存在になります。
この映画では自分像ということを考えさせられます。
もちろん生きるために必要な他人との関係であったり、
ある組織に属してることが安堵であるわけですが、
それが一人歩きしていることは間違いないし、便利に使われてきた虚なのです。
その虚のために長い年月にかけての深い憎悪があることを示します。
この映画は確かに希望をみせます。
人間誰しも紛争なんかお断りです。だからこういう素晴らしい映画がつくられます。
そしてこの映画の二家族は私達の願いをかなえてくれようとします。
ただこの二家族であったから希望に繋がったとも思えなくありません。
確かに取り違えを最初から受け入れえようとした母親同士と、
なかなか受け入れられない父親同士を描いて物語は進みますが、
(子供達はもっと柔軟だった)
時間をかけても、どんなに子供達が主導となっても、
もっと悲劇をもたらすこともあり得ると、
現状を知らないけれど考えてしまいます。
だから問題提起としての映画でもあるととらえました。
2014年04月20日
鑑定士と顔のない依頼人 2013伊 ジュゼッペ・トルナトーレ

偏屈な年配の男にとって極めて残酷な教訓映画です。
金持ちという部分だけは違いますが、主人公の姿は将来の自分と重なりますから
なおさらです。
主人公は超一流の鑑定士、仕事も一流、
美術品に対してと、その真贋に対して自らの信念を持ち合わせています。
人付き合いはほとんどなしで、付き合いは実は悪さで絵画を蒐集しているの相棒だけ。
その絵画は価値ある美女像ばかりですが、
本人は生身の女性を愛することなく老いた男です。
その主人公の下に、ある時変わった依頼人からの鑑定の仕事が舞いこみます。
依頼人は27歳位の女性です。
何故か彼女は仕事を依頼しても姿をみせません。
そんなきっかけから主人公は彼女に惹かれていきます。
そして、人生の絶頂を迎えるのですが、というお話です。
途中で結末は見えてきますが、その観せ方の方が重要で、
それは効果的な演出、展開です。
主人公の台詞をはじめ、彼の仕事ぶりと彼女に溺れる様子や、
外堀を埋めるような伏線とその回収が上手くできているので、
嫌な映画ですが、良くできた映画です。
キーになる人物が機械修理工で、機械仕掛けをディテールとして、
全体を匂わせるところも良い演出です。
完璧に見える主人公が壊れる様と、壊れて復元されるアンドロイドが出てきたり、
単なる歯車を見せておいて、
ラストにはその歯車に覆われる主人公の姿を引いたカメラを写してみせたり、
真贋に対する台詞と纏わって、彼女を二人登場させたりと、
観客に考える余地を残している映画です。
主人公は迷ったのか惑わされたのか、
何十年と続けていた自分らしく生きる生き方を貫くことの路線変更をしました。
そこから転落が起こるわけですが、
人はいつも自分らしく生きることに不安を持っているものです。
そこを突かれたのです。
だからとてもキツイ映画でした。
一家言ある人物でさえ、やっぱり人の子ですし、
貫くことの困難を感じますし、
主人公の冒頭の鮮やかなまでの仕事ぶりが脆いものだということは、
私達の人生の今の姿なのでしょう。
2014年04月18日
少しずつ食べています
たくさん頂いた太ネギを活けておきましたから、
ほしいも産地に行ったときには必要な分だけ抜いて食べています。
他にも親しい農家からこの時期は葉物も頂くので、
食材には困りません。
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2014年04月17日
春の仕事
春は干し芋用のサツマイモの苗作りと並行して、
畑の準備をしますが、それと同じくらい大事な仕事は、
自家製たい肥作りです。
冬の干し芋加工ででた芋の皮に、米ぬかやくず大豆と共に籾殻を混ぜます。
これらを混ぜて、一年に一回から二回天地返しして、
畑に入れることができる完熟たい肥ができるまで2年から3年かかります。
新しいたい肥を作ることと、これまで作ってきたものに手を加えるのは
時間が取れる春だからできますし、これから気温が上がるので時期も良いのです。
2014年04月16日
輪作の麦
秋にサツマイモの収穫が終わると、輪作の麦を蒔きます。
大概は春先に緑肥として鋤き込みますが、
収穫用の麦を育てている農家もいます。
この畑は収穫用の麦で、このところの暖かさで急に伸びてきていました。
もうそろそろ穂も出てきそうです。
2014年04月15日
たかおさんの庭の畑
庭先に畑があると、とにかく重宝です。
たかおさんも庭先に畑があり、
干し場と苗場があります。
ただし、ここは海風と北風の通り道なので、
苗場もメロン畑も風対策が必要です。
ビニールハウスで苗を育てていますが、その外側に風対策もしてます。
冬も風が通りますが、干し場にはその風が役に立ちます。