2013年07月18日
決闘般若坂 1943日 伊藤大輔

伊藤大輔監督、
片岡千恵蔵の武蔵(たけぞう)と月型龍之介の宍戸梅軒という、
往年の名時代劇です。
劇場で鑑賞できたことを素直に喜びます。
75分なので現代映画からすれば短い部類です。
テンポ良く話も絞っているので、尺は過不足なくです。
冒頭の敵討ちと、ラストの梅軒と梅軒の妻との殺陣のシーンも迫力ありました。
切っても地が噴出したり、効果音を効かせていないところは、
かえって健全な時代劇という印象です。
女性二人が武蔵にかかわりますが、
日本女性という感じです。
二人とも(プラス弟子の子供)武蔵を信頼しています。
何年ぶりかrの再会でも、武蔵からのねぎらいもなく、
ほとんど会話もないけれど、またこれで何年も信じて待つことができる。
そんな男と女(同姓同士でも)の信頼関係は、
今は希薄だなと思ってしまいます。
江戸初期の時代というよりも、
この映画が製作された頃はこういう雰囲気だったのでしょう。
今は携帯電話とネットという社会なので、
こういう信頼関係はできないのでしょう。
そして、ラスト武蔵は敵の子供を救い、やっつけた敵を弔います。
この精神も見習いたいものです。
話は前後しますが、ラスト直前に、
強くなっても、沢庵和尚には叱られます。
強くなったら、それ相応の責任を身に纏うということです。
これも耳が痛いエピソードです。