2012年07月11日
怪談累が淵 1957日 中川信夫

理不尽に殺された男が
(借金した侍が金貸しの按摩を殺害)
怨霊となって侍と奥方を死に追いやります。
これがプロローグ。
20年後、
侍の息子は大店の手代に、
その店のお嬢様の小唄の師匠が按摩の娘で、再会。
もちろん二人とも出生のことは知りません。
そして、ドロドロの三角関係がもつれて行きます。
三人とも良い人物設定のところが妙です。
三人ともに肩入れしてしまいます。
けれど、侍の息子(手代)は、按摩の娘を貶いれてしまうのです。
娘も父親と同じく怨霊に。
人は所詮、宿命があるかのごとくの物語の流れです。
三人ともにまっとうな人として生きているのに、
ちょっとしたほつれで転がり落ちます。
因果応報を背負う二人はいかんともし難く展開します。
この流れに抵抗できすに流れてしまいます。
この映画を見入ってしまうのはこのあたりの上手さからです。
それと、カメラ、光、アングル、
怨霊と人物の切り返しがとても良いです。
落語が原作ということですが、
そんなリズムも感じました。