2016年09月17日

FAKE 2016日 森達也

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この映画は、私は何者かを問うてきます。
人は自分が可愛いし、守りたいし、人からも愛されたい存在です。

世の中は安直です。そして人はすぐに思考停止して、面白おかしくその日暮らしをしようとします。少なくても私はこの映画でそんな自分像を振り返るばかりでした。

佐村河内氏のゴーストライター問題を題材にしていますが、その真偽を追う体裁ですが、真実を明かすことに価値をおいてはいません。真実なんて人それぞれだから。
それよりも人の性と人が陥りやすい習性をみせつけられます。

面白おかしければ良いとするテレビ局やマスコミの姿も当事者としては部分最適なのです。良い悪い、白黒付けたい気持ちは弱さの現われです。

人はもっと複雑で繊細なのに、自分はそうである自覚はあるのに、他人はそうでないとしてしまいます。
怖ろしい話です。


そしてこの映画は“信頼の映画”でした。
ほぼ佐村河内氏と氏の奥様(と飼いネコ)そして時折、作者の森監督が登場するだけの映画です。他には取材に来るマスコミ関係者と、この騒動のキーになる新村氏と神山氏が少し映される程度です。(神山氏の映像はなかった、触れられはしますが)

そこに映されるのは、佐村河内氏と奥様のつながりです。そこには真偽なんてどうでも良いことがわかります。氏が傷ついているかが問題で、生きていかなければならないのだから、どうするかに注視してしまいます。
浮かび上がるのは二人の愛と信頼です。そして、その二人と(仕事ではありますが)真摯に時間と労力を惜しまない森監督との間に信頼が生まれます。

あまりにも希薄な人間関係でいることでも、生きることが可能になった現代は、他人を愛おしく想う機会がなくなってきているということも強く感じました。


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