2013年12月21日
女優と詩人 1935 日 成瀬巳喜男

ベタな展開の喜劇ですが、上質に仕上がっている
初期の成瀬巳喜男作品です。
冒頭からサイレントを思わせる演出で、
見事に登場人物の人となりを匂わせておいて、
入れ子構造の喜劇に繋がります。
わかっているけど可笑しい展開で、人の心をくすぐります。
時は軍事政権前夜ですが、ほのぼのとした舞台劇です。
物語は、稼げない詩人の主夫と、家計を支えている女優の、夫婦の愛が深まる話です。
「めし」をとっても可愛らしく演出した感じです。
電車が通り過ぎるたびに、時の流れと夫婦の生活を伝えて、
最後により仲睦まじくなるという洒落た落としどころも準備されていました。
個人的に大好きな三代目の三遊亭金馬師匠が観れたのも大きな収穫です。
師匠をはじめ、師匠の奥さんは目茶おしゃべりで図々しいおばちゃん、
おっとり主夫とその友達の一癖あるやはり売れない小説家、
その4人がとても良い味です。
小品ですが、とても魅力があり、成瀬巳喜男ファン必見でしょう。
追伸
『年賀ギフト干し芋』販売開始しました。
ご興味がある方は、干し芋のタツマのトップページからどうぞ。
干し芋のタツマ
『年賀ギフト干し芋』の直接ページはこちら
年賀ギフト干し芋
Posted by いもたつ at 07:25│Comments(0)