2023年05月10日

【spac演劇】天守物語 宮城聰演出




10年以上前、「天守物語」を観劇していいますが、その時との演出の違いは覚えていませんが、今回久しぶりに見てSPACらしい、宮城總さん演出らしい天守物語でした。

白鷺城の第五重は魔界の世界で、その富姫と、人間界の図書之介が恋に落ちます。
異世界のモノどうしが惹かれ合うのは宇宙戦艦ヤマト等のsfと同じです。制約があるがゆえにその恋が加速するのは、ロミオとジュリエットでもみられます。また差別を超えていく恋は招かれざる客等、枚挙に暇はありませんし、この映画は1967年ですからまだたった56年前に、この天守物語と同じ葛藤が身近に感じられていたということでもあります。

さて富姫と図書之介ですが、本人たちの気持ちがすぐに適う訳はありません。失明や命の危機にも陥ります。しかし大いなる力は二人を救います。
これは人間の歴史でもあると感じました。
人間社会は全くの未熟です。でもとても良い所もある。
争いは絶え間ないけれど、ほんの少しずつではあっても変わっているのも間違いではない、それは、大いなる力ともいえるのではないかと思いました。

それはさておき、魔界の世界の大騒ぎや大団円になるspac天守物語はこいのぼりの衣裳や獅子舞をはじめとし美術、そして力強くもありしみじみとも響く音楽、観ていて楽しいです。また役者たちの動きも素晴らしい劇でした。
  


Posted by いもたつ at 09:00Comments(0)いもたつLife