2023年03月30日
【3月大歌舞伎】髑髏尼/夕霧 伊左衛門 廓文章 吉田屋

髑髏尼は、新歌舞伎というジャンルになるそうで、その通り現代劇にかなり近い演出でした。それでも歌舞伎ならではの舞台、衣装です。物語も歌舞伎らしく源氏と平家にまつわるもの、新中納言局が、平重衝との間の忘れ形見の髑髏を常に抱えていることから髑髏尼と呼ばれているけれど、寺守の七兵衛という醜い男に恋嗅がれています。
シチュエーションからしてゾクゾクし、案の定に悲劇です。その悲劇は情念が巻き起こしていて、そこには昔の日本人の美徳を感じる部隊です。
夕霧はダメ若旦那 伊左衛門と絶世の花魁 夕霧との廓話で、夕霧の衣装が艶やかでまた、コミカルな芝居です。
ハッピーエンドは良いのですが、伊左衛門のその後が気になります。
登場人物に、吉田屋の主人が出てくるのですが、金の切れ目が縁の切れ目にしなかったことから、吉田屋には福が来ます。世の中上手くできています。