2022年10月28日
【義経千本桜 四段目】国立劇場

道行初音旅 清元連中・竹本連中、河連法眼館の場
この段は、忠信と忠信に化けたキツネの二役をどう演じるかがキーということで、その通りで、尾上菊之助がみせてくれます。
この通しの「義経千本桜」は尾上菊之助が、二段目の知盛と忠信、三段目のいがみの権太を演じるのが目玉ですが、この四段目は他にもましての見事さでした。
この段は舞踊で始まりますが、これが活きている演出で、これまでとは違う歌舞伎の凄さと面白さを堪能しました。
同じ物語を何度も観たくなるのは、物語自体の面白さはもとより、歌舞伎も文楽も何百年も培われてきた演出方法や名演技を既習し超えようとするからで、深さは半端ではないことを実感します。