2016年07月17日
知の発見 「なぜ」を感じる力 中村桂子 著

著者は生物学者です。
生命が誕生して38億年、その当初に出来たDNAはヒトにも受け継がれているといいます。
けれど、そういう生物学的な話が主の本ではありません。
それらは、生きる視点を広げるのに有効と言うことで引き合いに出しています。
そして、大きな目でどうすれば個々人が幸せに生きることができるかが、テーマです。
それは自分を大事にすること。
でも生物学的な観点から、他人とも、自然(アリや植物等々)ともヒトは繋がっているのだから、そこから自分を大事にすることとは何かを問います。
「なぜ」を感じ、それはなぜかを自分で考えること。と言います。
それはとても楽しいこと。であることと言い切ります。
そして、キーワードは「私は普通の女の子だった」
視点は高いのですが、地についた生き方で、自分の幸せ=少しでもみんなにとって幸せな社会になれる。それを優しく告げています。
高校での講演をまとめたものですから、表現がやわらかですが、著者自身の芯の強さと、
説いていることの普遍性を強く感じました。